外国人ITエンジニアの採用に興味を持った企業が次に直面するのが「面接でどう評価すべきか」という問題です。日本人採用とは異なる視点が求められる場面も多く、評価軸を誤るとせっかくの優秀な人材を逃してしまう可能性も。
この記事では、外国人エンジニアの面接時に押さえておくべきポイントと、企業が陥りがちな失敗例を紹介します。
1. 日本語力の“実務レベル”を見極める
多くの企業は、日本語能力試験(JLPT)のスコアだけで判断することの限界を理解しています。N2やN3レベルを持っていても、実際の業務では「話す」「聞く」「説明する」力が求められます。
✅ 確認すべきは “実務で必要な日本語コミュニケーション”
- 質問に対して的確に返答できるか
- 自分の考えを順序立てて説明できるか
- 指示の曖昧さを確認・再質問できるか
➡ スコアだけでなく、実務に即した会話を模擬的に試すことで、日本語力の“実用性”を見極められます。
2. 技術力の“見せ方”が日本人と違う
日本人候補者は「控えめに話す」傾向がありますが、外国人エンジニアは「自分の成果を積極的に語る」文化を持っていることも多いです。
✅ 文化的な背景を理解し、伝え方のスタイルで判断しないことが重要
評価のポイント:
- GitHubや成果物があれば、具体的に見せてもらう
- 「どんな課題を、どの技術で、どんなふうに解決したか」を深掘る
- チームでの役割と貢献を聞き出す(“一人で全部やった”と言っていても裏には協力者がいることも)
➡ 質問に自信たっぷりに答えていても、実際のアウトプットを見ることでギャップを補えます。
3. 企業文化との“フィット”は一方的に測らない
「自社カルチャーに合うかどうか」は大切ですが、それを外国人エンジニアに一方的に求めるだけでは不十分です。
✅ フィットするか “お互いに歩み寄れるか” を確認する場として面接を活用
- 初めての文化でも学ぶ意欲があるか
- 報連相や会議のルールについて質問してくるか
- “郷に入っては郷に従え”という考え方があるか
➡ ただのスキルチェックではなく、「一緒に働けるか」を双方向で判断することが、ミスマッチを防ぎます。
よくある失敗とその対策
ありがちな失敗例 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
日本語の流暢さだけで落とす | 実務日本語力の評価軸が曖昧 | 会話例・模擬説明などで確認 |
成果の表現が大げさに感じて不採用 | 文化的な主張の仕方の違い | アウトプットの裏取りを行う |
「うちの雰囲気に合わない」と感覚で判断 | 評価軸が属人的すぎる | 具体的な質問と定量的評価を導入 |
まとめ
- 日本語力=会話力ではないことを理解し、実務に近い状況で確認する
- 技術スキルの“伝え方”の違いを理解し、成果物で判断する
- 企業文化とのフィット感は一方的ではなく、相互理解を意識する
Bridgitech Globalでは、これらの観点を面接前に整理した「評価ガイド」や、候補者との通訳付き面談支援も提供しています。